毎年11月は、取引の適正化を呼びかける「下請取引適正化推進月間」であり、厚生労働省の「しわ寄せ」防止キャンペーン月間でもあります。取引先との関係で、無理な条件を受けていないか、自社が無理な条件を求めていないかを、確認する機会です。
2つの月間の趣旨
- 下請取引適正化推進月間。 下請法などの普及・啓発を、集中的に行います。
- 「しわ寄せ」防止キャンペーン月間。 大企業や親事業者の長時間労働の削減の取組が、下請の中小事業者に、短納期発注や急な仕様変更などの「しわ寄せ」を生じさせないようにするための周知・啓発です。
月間の名称や実施内容は、年度によって変わることがあります。令和8年度の案内は、各省庁のホームページで確認してください。
令和8年1月から、下請法が変わっています
下請法は、令和8年1月1日から、「中小受託取引適正化法」(取適法)として施行されています。主な変更点は、次のとおりです。
- 価格の協議に応じない、一方的な代金の決定を禁止
- 手形払などを、禁止
- 規制の対象に、特定運送委託を追加(発荷主などが、自社が販売・製造する物品の運送を、運送事業者に委託する取引)
- 適用の基準に、従業員の数を追加
用語も、「親事業者」から「委託事業者」、「下請事業者」から「中小受託事業者」に変わりました。
建設業の取引は、建設業法が適用されます
建設業者が建設工事を他の建設業者に請け負わせる場合は、取適法(下請法)の対象外で、建設業法が適用されます。令和7年12月12日に施行された改正建設業法では、著しく低い労務費等による見積りや契約の禁止などが、定められています。
なお、建設業者でも、資材の製造委託や設計図面の作成委託などは、取適法の対象になる場合があります。
点検したいこと
- 見積書で、労務費、材料費、法定福利費などの内訳を、明示しているか
- 取引先から、一方的な代金の減額や、支払の遅れを求められていないか
- 短納期や、急な仕様変更が、現場の長時間労働につながっていないか
- 価格の協議の記録を、残しているか
困ったときの相談先
- 建設業取引適正化センター(建設業法の関係)
- 下請かけこみ寺(中小企業庁の相談窓口)
- 公正取引委員会、各経済産業局
相談窓口の名称や連絡先は変わることがあるため、利用の前に公式ページで確認してください。
まとめ
- 11月は、下請取引適正化推進月間・「しわ寄せ」防止キャンペーン月間です。
- 令和8年1月から、下請法は取適法に変わっています。建設工事の下請は、建設業法で整理されています。
- 見積書の内訳、価格の協議、納期の見直しを、点検しましょう。
当事務所では、建設業法に関するご相談や、労務管理をサポートしています。お気軽にご相談ください。
※本記事は令和8年10月16日時点の情報です。最新の内容は、公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省のホームページでご確認ください。
参考:中小企業庁「下請取引適正化推進月間」、厚生労働省「しわ寄せ防止キャンペーン月間」、公正取引委員会「取適法」


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