岐阜県内の中小企業で、社員の研修やスキルアップに助成金を使いたい経営者・人事担当者に向けて、人材開発支援助成金の令和8年度の変更点と、コースの選び方、申請の流れを解説します。令和8年4月8日からの主な変更点を押さえたうえで、自社に合うコースを探しましょう。
人材開発支援助成金とは
事業主が、雇用する労働者に職務に関連した訓練を行う場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する国の制度です。訓練の計画を事前に作り、労働局へ届け出ることが前提になります。
令和8年度の主な変更点
厚生労働省のページでは、令和8年度の変更として次の点が示されています。
- 人材育成支援コースに、中高年齢者実習型訓練を新設した
- 人への投資促進コースに、新規採用助成と職務代行助成を追加した
- 事業展開等リスキリング支援コースに、設備投資加算を新設した
また、令和8年5月14日付けの支給要領の改正により、人材育成支援コース、人への投資促進コース、事業展開等リスキリング支援コースの支給申請では、「受講料等の価格設定に関する疎明書」の提出が求められる場合があります。事業展開等リスキリング支援コースは、令和8年8月3日からも改正されています。実際に申請する際は、最新の様式と案内を確認してください。
コースの選び方
目的別に、次のように考えると選びやすくなります。
| 目的 | 候補のコース |
|---|---|
| 社員に職務に必要な知識・技能を学ばせたい | 人材育成支援コース |
| 45歳以上の社員を、実習を組み合わせて育てたい | 人材育成支援コース(中高年齢者実習型訓練) |
| 新規事業に向けて新しい分野を学ばせたい | 事業展開等リスキリング支援コース |
| デジタル人材の育成や、自発的な学びを支えたい | 人への投資促進コース |
| 有給の教育訓練休暇の制度を作りたい | 教育訓練休暇等付与コース |
建設業の場合は、建設労働者認定訓練コースや建設労働者技能実習コースもあります。対象となる訓練かどうかは、厚生労働省の案内で確認してください。
助成の内容(厚生労働省の簡略版パンフレットより)
令和8年4月8日時点の簡略版パンフレットでは、主に次のように案内されています。金額には、賃金を5%以上増額した場合などの加算があります。
- 人材育成支援コース:10時間以上のOFF-JT(職場外の研修)で、正規雇用は経費の45%、非正規雇用は70%。賃金助成は1人1時間あたり800円
- 事業展開等リスキリング支援コース:経費の75%、賃金助成は1人1時間あたり1,000円。設備投資加算は実費の50%(中小企業に限る)
- 教育訓練休暇等付与コース:定額30万円
中高年齢者実習型訓練
福島労働局が公表している資料では、訓練開始日に45歳以上の被保険者が対象で、訓練期間は2か月以上、OJT(職場での実地訓練)とOFF-JTの組み合わせが必要と案内されています。中小企業の経費助成率は60%です。要件が細かいため、実施前に資料で確認してください。
申請の流れ
- 訓練の目的と、受講する社員を決める
- 職業訓練実施計画届を、訓練開始日の6か月前から1か月前までに提出する(人材育成支援コースの中高年齢者実習型訓練の案内による。ほかのコースは各案内で確認してください)
- 計画に沿って訓練を実施する
- 訓練終了後に、支給申請をする
最大の注意点は、計画届を訓練の開始前に出すことです。研修を始めてから届け出ても、助成の対象にならない場合があります。提出先は、事業所を管轄する労働局(岐阜県内では岐阜労働局)の窓口です。
岐阜県の事業者での活用イメージ
たとえば、岐阜県内の建設会社が、50代の現場担当者に新しい施工管理の技術を学ばせたい場合を考えます。45歳以上の社員にOJTとOFF-JTを組み合わせた訓練を行うなら、人材育成支援コースの中高年齢者実習型訓練が候補になります。一方、新規事業に向けて社員を学び直させるなら、事業展開等リスキリング支援コースが候補です。訓練の目的を最初に整理すると、コースを選びやすくなります。
申請前の実務チェックリスト
- [ ] 雇用保険の適用事業所で、対象の社員が雇用保険の被保険者である
- [ ] 訓練の目的、内容、時間数、受講者を決めている
- [ ] 訓練の開始日から逆算して、計画届の提出日を決めている
- [ ] 訓練の費用の見積書や、料金の根拠を確認している
- [ ] 最新の様式と案内を、厚生労働省のページで確認している
よくある質問
Q. すでに始めた研修は、あとから届け出ても対象になりますか。
A. 計画届は、訓練の開始前に提出する必要があります。開始後の届出は、対象にならない場合があります。
Q. eラーニングでも使えますか。
A. 厚生労働省の案内資料には、eラーニングや通信制による訓練は経費助成のみで、賃金助成は対象外とする旨の注記があります。コースごとの条件は案内で確認してください。
まとめ
- 令和8年度は、中高年齢者実習型訓練、新規採用助成・職務代行助成、設備投資加算が加わった
- 目的に合わせて、人材育成、リスキリング、人への投資などのコースから選ぶ
- 計画届は訓練の開始前に提出する。人材育成支援コースの中高年齢者実習型訓練は、6か月前から1か月前までが目安
- 最新の助成率や上限額は、厚生労働省の案内や支給要領で確認する
- 判断に迷うときは、社会保険労務士などの専門家や、岐阜労働局などの窓口に相談しましょう。
※本記事は令和8年10月26日時点の情報です。最新の取扱いは、厚生労働省・岐阜労働局の案内でご確認ください。
参考
- 厚生労働省「人材開発支援助成金」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html
- 厚生労働省「令和8年度 雇用・労働分野の助成金のご案内(簡略版)」 https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/000758206.pdf
- 福島労働局掲載「人材開発支援助成金(中高年齢者実習型訓練)」 https://jsite.mhlw.go.jp/fukushima-roudoukyoku/content/contents/002635519.pdf
- 新潟労働局「人材開発支援助成金(令和8年4月8日版)」 https://jsite.mhlw.go.jp/niigata-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/kakushu_joseikin/koyoukankei_joseikin/_119902_00021.html



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