労働者死傷病報告の電子申請 義務化後の手順|冬の転倒災害が起きたときに会社がすること

労働者死傷病報告の電子申請 安全衛生

岐阜県の建設業者をはじめとする中小企業の安全衛生担当者向けに、労働者死傷病報告の電子申請の手順を解説します。令和7年1月1日から、電子申請が義務になりました。冬に増える転倒災害が起きたときに、会社が何をするかもあわせて整理します。

労働者死傷病報告とは

労働者が労働災害で死亡したり、休業したりしたときに、会社が労働基準監督署へ提出する報告書です。令和7年1月1日から、報告事項が改正され、電子申請が義務化されました。

令和7年1月1日以降に報告を受け付けるものは、新しい様式を使います。古い様式(労働安全衛生規則様式第23号・第24号)は使えません。

電子申請が難しい場合は、当面の間、書面での提出が認められています。たとえば、パソコンがない場合などです。

いつまでに報告するか

報告の時期は、休業日数によって異なります。

区分報告の時期
死亡または休業4日以上遅滞なく
休業4日未満3か月ごとにまとめて、翌月末日まで

休業4日未満の報告期限は、次のとおりです。

  • 1〜3月分:4月末日
  • 4〜6月分:7月末日
  • 7〜9月分:10月末日
  • 10〜12月分:1月末日

7〜9月に発生した休業4日未満の災害は、10月末日が期限です。まだ報告していない場合は、早めに確認しましょう。

報告先は、原則として会社の事務所を管轄する労働基準監督署です。ただし、被災した現場が建設現場などで会社の事務所と地域が異なる場合は、事故現場を管轄する労働基準監督署に提出します。

電子申請の手順

厚生労働省の「帳票入力支援サービス」を使います。

  1. 帳票入力支援サービスにアクセスし、e-GovアカウントまたはGビズIDでログインします。
  2. 「帳票作成メニュー」から「労働者死傷病報告」を選び、該当する手続きを選びます。
  3. 必須項目を入力します。途中で保存することもできます。
  4. 「申請内容(PDF)を出力する」で内容を確認します。
  5. 「内容を確認する」を押したあと、「申請する」で提出します。

審査が終わると、e-Govの画面から控えを確認・ダウンロードできます。添付書類は、合計15MB以下、4ファイル以下です。

報告事項の主な変更点

手入力だった項目が、プルダウン選択やコード入力に変わりました。主な変更は次のとおりです。

  • 事業の種類、被災者の職種:分類コードで報告
  • 傷病名・傷病部位:プルダウンで選択
  • 災害発生状況:「場所」「作業内容」「物・環境」「不安全・有害な状態」「災害の種類」の5段構成
  • 国籍・地域、在留資格:プルダウンで選択

あわせて、記載事項も追加・変更されています。建設業に関わるものは、次のとおりです。

  • 建設工事の場合は、元請の労働保険番号と工事名を記載
  • 派遣労働者の場合は、派遣先事業場の名称と郵便番号を記載
  • 休業4日未満の場合は、休業日数(1〜3)を記載

冬の転倒災害が起きたときの流れ

冬は、凍結した路面や雪で、転倒の災害が増えます。災害が起きたときは、次の順番で対応しましょう。

  1. けが人の救護と、二次災害の防止
  2. 災害の状況の記録(場所、作業内容、原因など)
  3. 労災保険の請求手続きの案内
  4. 休業日数に応じた労働者死傷病報告の提出

労働災害を報告しなかったり、虚偽の報告をしたりすることは、いわゆる「労災かくし」として処罰の対象になります。実際に起きた災害は、正しく報告しましょう。

会社の確認チェックリスト

  • 電子申請に使う、e-GovアカウントまたはGビズIDを用意しているか
  • 災害が起きたとき、誰が報告を担当するか決めているか
  • 休業4日未満の災害を、四半期ごとにまとめて管理しているか
  • 建設工事の場合、元請の労働保険番号と工事名を把握しているか
  • 派遣労働者が被災した場合、派遣先事業場の名称と郵便番号を把握しているか

具体例

岐阜県内の建設現場で、朝の凍結した足場で作業員が転倒し、3日間休業したとします。この場合は休業4日未満にあたるため、その四半期(10〜12月)の分として、翌年1月末日までに報告します。もし休業が4日以上になったときは、遅滞なく報告します。

再発防止も大切です

報告は、手続きで終わりではありません。災害の原因を社内で共有し、同じ場所や作業での再発を防ぐことが大切です。冬の現場では、朝の凍結した足場や通路を確認してから作業を始める習慣をつけましょう。

よくある質問

Q1. パソコンがない場合は、紙で出せませんか。

電子申請が困難な場合は、当面の間、書面での提出が認められています。

Q2. 提出先は、本社の所在地の労働基準監督署ですか。

原則は、会社の事務所を管轄する労働基準監督署です。ただし、被災した現場が建設現場などで会社の事務所と地域が異なる場合は、事故現場を管轄する労働基準監督署に提出します。

まとめ

  • 労働者死傷病報告は、令和7年1月1日から電子申請が義務化されています。
  • 死亡または休業4日以上は遅滞なく、休業4日未満は四半期ごとにまとめて報告します。
  • 電子申請が困難な場合は、当面の間、書面での提出が認められています。
  • 建設工事では、元請の労働保険番号と工事名の記載が必要です。
  • 災害は正しく報告し、再発防止につなげます。

判断に迷うときは、社会保険労務士などの専門家や、岐阜労働局・所轄の労働基準監督署などの窓口に相談しましょう。

※本記事は令和8年10月26日時点の情報です。最新の取扱いは、厚生労働省・岐阜労働局の案内でご確認ください。

参考

  • 厚生労働省「労働者死傷病報告の電子申請について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/denshishinsei_00002.html
  • 厚生労働省「帳票入力支援サービスを活用した労働者死傷病報告の電子申請方法について」 https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001292159.pdf
  • 厚生労働省「労働者死傷病報告の提出の仕方を教えて下さい。」 https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/faq/12.html
  • 徳島労働局「労働者死傷病報告の報告事項が改正され、電子申請が義務化されます」 https://jsite.mhlw.go.jp/tokushima-roudoukyoku/riyousha_mokuteki_menu/mokuteki_naiyou/denshi_2025.1.html

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