労働条件通知書に記載する「明示事項」は、令和6年4月と、令和8年10月の2回、改正されました。どの場面で、何を明示する必要があるのかを、一覧にして整理します。自社の労働条件通知書と、見比べて確認してください。
改正の一覧
| 改正の時期 | 場面 | 明示すること |
|---|---|---|
| 令和6年4月~ | すべての労働契約の締結時と、有期労働契約の更新時 | 就業場所・業務の「変更の範囲」 |
| 令和6年4月~ | 有期労働契約の締結時と更新時 | 更新上限(通算契約期間または更新回数の上限)の有無と内容 |
| 令和6年4月~ | 「無期転換申込権」が発生する更新時 | 無期転換申込機会と、無期転換後の労働条件 |
| 令和8年10月~ | パート・有期雇用労働者の雇入れ時 | 待遇の相違の内容・理由等に関する説明を求めることができる旨 |
令和6年4月の改正
- 就業場所と業務について、「雇入れ直後」だけでなく、「変更の範囲」も、明示します。パート・アルバイトも含め、すべての労働者が対象です。
- 有期労働契約では、更新上限の有無と内容を、契約の締結時と更新時に明示します。更新上限を新しく設ける、または短くする場合は、事前に説明することも求められています。
- 通算5年を超えて無期転換申込権が発生する更新のときは、無期転換申込機会と、転換後の労働条件を明示します。転換後の労働条件のうち、契約締結時に書面で明示することとされている事項は、書面で明示します。
令和8年10月の改正
パート・有期雇用労働者を雇い入れるときに、次の事項を明示します。
- 昇給、賞与、退職手当の有無
- 相談窓口
- 待遇の相違の内容・理由等に関する説明を求めることができる旨(新設)
明示しない場合は、10万円以下の過料の対象です。労働条件通知書には、説明の請求先として、部署名や担当者名、連絡先を記載することが、示されています。
これまでの基本的な明示事項
改正された項目のほかに、労働基準法で明示が必要な主な事項は、次のとおりです。
- 労働契約の期間
- 就業の場所と、従事する業務の内容
- 始業・終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩、休日、休暇
- 賃金の決定、計算、支払の方法、締切と支払の時期
- 退職に関する事項(解雇の事由を含む)
自社の通知書を点検する手順
- 正社員用、パート・有期社員用、無期転換用など、使っている様式を、すべて集める
- 就業場所・業務の「変更の範囲」の欄があるかを確認する
- 有期の様式に、更新上限の有無と内容の欄があるかを確認する
- 無期転換申込権が発生する更新用の様式に、申込機会と転換後の条件を記載できるかを確認する
- パート・有期用の様式に、説明を求められる旨と、請求先を記載する
- 就業規則と、通知書の記載が、食い違っていないかを確認する
まとめ
- 令和6年4月から、変更の範囲、更新上限、無期転換申込機会と転換後の労働条件を明示する必要があります。
- 令和8年10月から、パート・有期雇用労働者への「説明を求めることができる旨」の明示が必要です。
- 通知書の様式を、定期的に点検しましょう。
当事務所では、労働条件通知書の整備や、就業規則の見直しをサポートしています。お気軽にご相談ください。
※本記事は令和8年10月16日時点の情報です。最新の内容は、厚生労働省のホームページでご確認ください。
参考:厚生労働省「令和6年4月から労働条件明示のルールが変わりました」、厚生労働省告示第203号・省令第87号(令和8年4月28日公布)


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