「扶養の範囲で働く」という言い方は、税金の扶養と、社会保険の扶養を、混同しやすい言葉です。令和8年分から、税の扶養の所得要件が改正されるのを機会に、二つの違いと、確認の手順を整理します。
令和8年分から変わる税の扶養の所得要件
令和8年分から、扶養親族と同一生計配偶者の所得要件が、次のように改正されます(施行は、令和8年12月1日とされています)。
| 区分 | 所得要件 |
|---|---|
| 扶養親族・同一生計配偶者 | 合計所得金額が62万円以下(給与収入のみの場合は、136万円以下) |
| 特定親族 | 合計所得金額が62万円超123万円以下 |
会社に提出する「扶養控除等申告書」や、年末調整の詳細は、社労士事務所の年末調整の解説記事をご覧ください。税務の個別の判断や、手続きについては、税理士または税務署へご相談ください。
税の扶養と社会保険の扶養の違い
| 税の扶養 | 社会保険の扶養 | |
|---|---|---|
| 目的 | 所得税・住民税の計算(扶養控除など) | 健康保険の被扶養者としての資格(保険料の負担がない) |
| 基準 | 合計所得金額など(税法) | 収入の額など(健康保険の時の基準) |
| 確認先 | 会社の年末調整の担当、税務署、税理士 | 加入している保険者(協会けんぽや年金事務所、健康保険組合) |
どちらかを満たしていても、もう一方も満たすとは限りません。基準の数字も、計算の方法も、別です。
社会保険の扶養は、加入先の案内で確認する
社会保険の扶養(被扶養者)の認定の基準や、収入の数え方は、加入先の保険者(協会けんぽ、健康保険組合、年金事務所)の案内で確認してください。認定の基準は、見直されることがあります。
また、令和8年10月からは、短時間労働者の社会保険の加入要件も変わりました(賃金要件の撤廃)。勤め先で社会保険の加入対象になる場合は、扶養とは別の手続きになります。
確認の手順(パート・アルバイトの方)
- 今年の、見込みの収入(給与収入)を、確認する
- 税の扶養の所得要件(62万円・給与収入のみの場合136万円)と比べる
- 社会保険の扶養の基準を、加入先の保険者に確認する
- 勤め先が、社会保険の加入対象かどうかを、確認する
- 働く時間を決める前に、会社の担当者と相談する
事業主・担当者の方へ
- 従業員から、「扶養の範囲で働きたい」と相談されたときは、税の扶養と社会保険の扶養を、分けて説明しましょう。
- 税の個別の相談は、税理士や税務署をご案内します。
- 社会保険の加入対象の判定は、会社の職種と、労働時間を確認して、進めます。
- 10月からは、労働条件通知書に、待遇の相違について説明を求められる旨も、明示する必要があります。
まとめ
- 税の扶養と、社会保険の扶養は、基準も確認先も別です。
- 令和8年分から、税の扶養の所得要件が、合計所得金額62万円以下(給与収入のみの場合は136万円以下)になります。
- 社会保険の扶養は、加入先の保険者の案内で確認してください。
当事務所では、労務管理や社会保険の手続きをサポートしています。お気軽にご相談ください。なお、税務の相談には対応できませんので、税理士や税務署にご相談ください。
※本記事は令和8年10月16日時点の情報です。最新の内容は、国税庁・厚生労働省・加入先の保険者のホームページでご確認ください。
参考:社労士事務所の年末調整に関する解説記事、国税庁の令和8年分の年末調整の案内


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