建設業では、2024年4月から時間外労働の上限規制が適用され、休日の確保が経営の課題になっています。岐阜県が発注する工事では、週休2日を確保する「週休2日制モデル工事」が実施されています。受注を考える建設業者が知っておきたい、入札と労務の対応を整理します。
週休2日制モデル工事とは
「岐阜県発注の週休2日制モデル工事実施要領」に基づく制度です。
- 対象は、岐阜県の農政部、林政部、県土整備部、都市建築部が発注する工事です。
- 発注者指定型で発注するのが原則です。
- 方式は、「現場閉所」(完全週休2日(土日)を原則)と、「交替制」(技術者や技能労働者が交替しながら、4週8休以上を確保)があります。
- 災害時の応急対策や、通年維持工事など現場閉所が困難な工事、発注機関の長がなじまないと判断した工事は、対象外です。
「4週8休」の目安は、現場閉所率、28.5%以上です。
受注者にとってのメリット
経費の補正
週休2日の達成を前提に、補正係数を掛けて当初の予定価格を算出する仕組みがあります。県土整備部と都市建築部の工事では、「週単位の週休2日」が前提です。
工事成績評定点の加点
県の資料では、達成状況に応じて、工事成績評定点に次の加点があります。
| 方式 | 達成状況 | 加点 |
|---|---|---|
| 現場閉所 | 完全週休2日(土日)を達成 | +2点 |
| 現場閉所 | 月単位の週休2日を達成(月単位の現場閉所率が28.5%以上) | +1点 |
| 現場閉所 | 通期の週休2日を達成(通期の現場閉所率が28.5%以上) | +0.5点 |
| 交替制 | 対象者全員の月単位の休日率が28.5%以上を達成 | +2点 |
| 交替制 | 月単位の週休2日を達成(対象者平均の休日率が28.5%以上) | +1点 |
| 交替制 | 通期の週休2日を達成(対象者平均の休日率が28.5%以上) | +0.5点 |
点数や条件は改定されることがあります。最新の実施要領でご確認ください。
労務面で準備したいこと
- 休日の定め。 就業規則の休日の規定を確認し、週休2日にあたる日を、工事の工程表とあわせて決めます。
- 賃金の見直し。 日給の賃金では、休日が増えると収入が減ります。月給制や手当の見直しを検討します。
- 時間外労働の上限。 2024年4月から、建設業にも時間外労働の上限規制が適用されています(原則として月45時間、年360時間)。災害の復旧・復興の事業には一部適用されない規定があります。
- 勤怠の記録。 現場閉所や休日を確保した実績を、日々記録し、発注者への提出に備えます。
- 下請けへの周知。 交替制では、下請企業も対象になり、施工体制台帳上の工期を基本にします。
まとめ
- 岐阜県は、週休2日制モデル工事を実施しています。達成すると、経費の補正と、工事成績評定点の加点があります。
- 受注前に、休日の定め、賃金、勤怠の記録を、整えておきましょう。
当事務所では、就業規則の見直しや、勤怠管理、賃金制度の見直しをサポートしています。お気軽にご相談ください。
※本記事は令和8年10月15日時点の情報です。最新の内容は、岐阜県の「週休2日制モデル工事実施要領」でご確認ください。
参考:岐阜県「岐阜県発注の週休2日制モデル工事実施要領」と改定概要



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