岐阜県内の中小企業で、男性の育児休業や介護との両立支援を進めたい経営者・総務担当者に向けて、両立支援等助成金の令和8年度の主な変更点を解説します。対象事業主の拡充や、介護休暇の有給化への助成の新設など、中小企業が使いやすくなった点を中心に整理します。
両立支援等助成金とは
仕事と育児・介護の両立を支援する制度を整え、実際に利用された事業主に支給される国の助成金です。厚生労働省の案内では、次のコースが示されています。
- 出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)
- 介護離職防止支援コース
- 育児休業等支援コース
- 育休中等業務代替支援コース
- 柔軟な働き方選択制度等支援コース
- 不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース
このうち、令和8年度に変更があったコースを見ていきます。変更点は、愛媛労働局が公表している「令和8年度 両立支援等助成金改正内容」で確認できました。なお、各コースの支給要件を満たした日によっては、令和7年度以前の支給要領が適用されます。
変更点の一覧
| コース | 主な変更点 |
|---|---|
| 出生時両立支援 | 男性育休取得率の上昇等の支給対象を、業種を問わず常時雇用の労働者300人以下の事業主に拡充。事実婚の男性労働者も算定対象に |
| 介護離職防止支援 | 介護休暇の有給化への助成(30万円)を独立して新設。有期雇用労働者が利用した場合は10万円を加算 |
| 育休中等業務代替支援 | 新規雇用による育休中の業務代替の対象を、300人以下の事業主に拡充。「1年以上」の区分を新設し81万円(プラチナくるみん認定事業主は99万円) |
| 柔軟な働き方選択等支援 | 障害児等要配慮支援加算(20万円)を新設 |
男性育休と業務代替で使える条件が広がった
出生時両立支援コースでは、男性労働者の育児休業取得率を上げた事業主への助成が、業種を問わず常時雇用300人以下の事業主に広がりました。取得率の算定では、事実婚の男性労働者の育児休業も対象になります。
育休中等業務代替支援コースでも、代替要員を新規に雇う場合の対象が300人以下に広がっています。代替した期間が1年以上の場合の区分が加わり、81万円が支給されます。
支給額の全体像は、厚生労働省の「支給申請の手引き(2026年度版)」で確認できます。たとえば、男性労働者の育児休業取得(1人目)は20万円、雇用環境整備の措置を4つ以上実施した場合は30万円などと案内されています。
介護離職防止支援コースの変更点
介護離職防止支援コースでは、次の変更がありました。
- 介護休暇制度を有給化し、要件を満たした事業主に30万円(1事業主1回限り)が支給される
- 休業取得者や制度利用者が有期雇用労働者の場合、10万円を加算する
- 制度メニューから、所定外労働の制限制度と深夜業の制限制度が削除された
介護と仕事の両立支援は、法律上の義務も強まっています。個別の周知や情報提供の義務については、当サイトの介護離職防止の義務に関する記事で解説しています。
柔軟な働き方選択等支援コースの加算
障害児や医療的ケア児を養育する労働者が、柔軟な働き方の制度や子の看護等休暇を利用できる期間を、子が18歳になる年度末まで広げた場合に、20万円が加算されます。あわせて、子の看護等休暇を有給化する場合は、対象の労働者が実際に制度を利用したことが支給要件に加わりました。
申請の流れと注意点
- 自社が使えるコースと、変更点を確認する
- 就業規則や育児・介護休業規程を整備し、必要な措置を実施する
- 実際に休業や制度の利用があった後に、支給申請をする
- 岐阜労働局の雇用環境・均等部門の窓口へ申請する(電子申請にも対応しています)
申請期限はコースごとに異なります。たとえば、男性労働者の育児休業取得は育休終了日の翌日から2か月以内、介護休業は休業終了日の翌日から起算して3か月を経過した日の翌日から2か月以内とされています。期限を過ぎると申請できないため、休業や制度の利用が始まった時点で、期限を確認しておきましょう。
岐阜県の中小企業での活用イメージ
たとえば、従業員50人ほどの岐阜県内の製造業が、男性従業員の育児休業の取得を進める場合を考えます。就業規則に育児休業の規定を整え、取得しやすい職場環境の措置を実施し、実際に取得があった時点で出生時両立支援コースの申請を検討します。介護についても、介護休暇を有給にする制度を導入すれば、介護離職防止支援コースが検討できます。
申請前の実務チェックリスト
- [ ] 育児・介護休業規程を、現行の法律に合わせて整備している
- [ ] 休業や制度の利用の実績と、その記録を残している
- [ ] 対象となる従業員の人数や雇用形態を、コースごとに確認している
- [ ] 申請期限をカレンダーに入れている
よくある質問
Q. 令和7年度に始まった休業は、令和8年度の内容で申請できますか。
A. 各コースの支給要件を満たした日によって、適用される支給要領が変わります。令和7年度以前の要領が適用される場合があります。
Q. 従業員が300人を超える会社も対象ですか。
A. 拡充は、常時雇用の労働者が300人以下の事業主が対象とされています。中小企業事業主のみを対象とするコースもあるため、コースごとに確認してください。
まとめ
- 出生時両立支援と育休中等業務代替支援は、対象が常時雇用300人以下の事業主に拡充された
- 介護離職防止支援では、介護休暇の有給化に30万円、有期雇用労働者の利用に10万円の加算がある
- 柔軟な働き方選択等支援に、障害児等要配慮支援加算(20万円)が加わった
- 支給要件を満たした日によっては、以前の支給要領が適用される
- 判断に迷うときは、社会保険労務士などの専門家や、岐阜労働局などの窓口に相談しましょう。
※本記事は令和8年10月26日時点の情報です。最新の取扱いは、厚生労働省・岐阜労働局の案内でご確認ください。
参考
- 愛媛労働局「令和8年度 両立支援等助成金改正内容について」 https://jsite.mhlw.go.jp/ehime-roudoukyoku/_01243.html
- 厚生労働省「両立支援等助成金 支給申請の手引き(2026(令和8)年度版)」 https://www.mhlw.go.jp/content/001691466.pdf
- 厚生労働省「子ども・子育て両立支援等助成金のご案内」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/ryouritsu01/index.html



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